この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
凍える月~吉之助の恋~
第3章 第一話 【凍える月~吉之助の恋~】 三
 吉之助がふいに手を伸ばして、白い椿の花を手折った。
「己れよりもあかの他人のことばかり心配しやがる。世の中、他人を蹴落としてまで自分がのし上がろうとする奴が多いっていうのによ。俺は上辺だけ善人面した奴は大嫌いだが、この女は根っからのお人好しだった。―つくづく変わった女だな」
 吉之助は乾いた声で言うと、花をおもむろに懐に入れた。
「お前―、まさか、お絹に本気で惚れたのか?」
 伊八が訊ねても、吉之助は、曖昧な笑みを浮かべたにすぎなかった。
 その時、「伊八っつぁん!!」と、どこからかお絹の声が聞こえた。あまりに愛しい女のことばかり考えていたゆえの空耳かと慌てて辺りを見回した。
/422ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ