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凍える月~吉之助の恋~
第4章 第二話 【鈴の音】 一
だが、そこで、お絹はハッとした。忘れようとしても忘れられない忌まわしい想い出がある―、お絹は三月(みつき)前、吉之助(よしのすけ)という男に無理に犯された。吉之助は江戸の裏の世界を取り仕切る大元締蠍の以蔵の懐刀とも呼ばれる男だ。去年の夏にお絹と伊八が以蔵一味の子分吉蔵(きちぞう)の逃亡を助けたことから以蔵に憎まれ、その見せしめに以蔵は吉之助にお絹をさらわせた。
お絹は本源寺に半月もの間、幽閉され、吉之助に陵辱され続けた。拉致されて半月後に無事解放されたものの、しばらくは、恐怖と絶望に苛まれる日々が続いた。そんなお絹を伊八は持ち前の穏やかさで包み込み、心身共に深く傷ついたお絹を癒した。
お絹は本源寺に半月もの間、幽閉され、吉之助に陵辱され続けた。拉致されて半月後に無事解放されたものの、しばらくは、恐怖と絶望に苛まれる日々が続いた。そんなお絹を伊八は持ち前の穏やかさで包み込み、心身共に深く傷ついたお絹を癒した。