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凍える月~吉之助の恋~
第4章 第二話 【鈴の音】 一
伊八は所帯を持とうと言いつつも、それまではどこか消極的だった。それがかえってその事件を機に積極的になり、事件の起こったひと月後にお絹と伊八は祝言を挙げたのである。
もし身籠もる可能性があるとすれば、その吉之助に犯されたとき以外にはないのだ。お絹は暗澹とした想いに駆られた。そんな馬鹿なことがあって良いはずがなかった。
―私は何も悪ことはしていないのに―。
何も知らぬまま、吉之助にさらわれ、無人の荒れ寺に連れてゆかれた。泣き叫んでも誰も助けにきてはくれず、男も知らぬ身体を開かされ、さんざん慰み者にされたのだ。
もし身籠もる可能性があるとすれば、その吉之助に犯されたとき以外にはないのだ。お絹は暗澹とした想いに駆られた。そんな馬鹿なことがあって良いはずがなかった。
―私は何も悪ことはしていないのに―。
何も知らぬまま、吉之助にさらわれ、無人の荒れ寺に連れてゆかれた。泣き叫んでも誰も助けにきてはくれず、男も知らぬ身体を開かされ、さんざん慰み者にされたのだ。