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凍える月~吉之助の恋~
第4章 第二話 【鈴の音】 一
伊八の女房になってからというもの、それまでどこか幼さを残していたお絹に色香が漂い始めた。やはり吉之助に手込めにされたときの記憶がそうさせるのか、最初は伊八に抱かれるときも怯えを見せていた。
伊八は床の中でもけしてお絹に無理強いはしなかった。お絹を壊れ物のように扱い、大切にした。お絹が少しでも怯えた様子を見せたときは伸ばしかけた手を引っ込め、枕を並べて眠るだけの夜も多かった。
そんな伊八の辛抱強い努力と忍耐のせいで、お絹は少しずつ変わっていった。吉之助との情事は、ただ奪われるだけだった。しかし、ただ蹂躙され責め苛まれる営みだけではなく、互いを労り合う愛し方もあるのだと知ったのだ。
伊八は床の中でもけしてお絹に無理強いはしなかった。お絹を壊れ物のように扱い、大切にした。お絹が少しでも怯えた様子を見せたときは伸ばしかけた手を引っ込め、枕を並べて眠るだけの夜も多かった。
そんな伊八の辛抱強い努力と忍耐のせいで、お絹は少しずつ変わっていった。吉之助との情事は、ただ奪われるだけだった。しかし、ただ蹂躙され責め苛まれる営みだけではなく、互いを労り合う愛し方もあるのだと知ったのだ。