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凍える月~吉之助の恋~
第5章 第二話 【鈴の音】   二
 短い静寂の後、産着をお絹の手に返し、吉之助は小さく頷いた。
「そうか」
 意外なほどあっさりと言うと、立ち上がる。
「くれぐれも用心しろ、良いな」
 それだけ言い置き、吉之助は出ていった。静かに表の戸が閉まると、お絹は一挙に身体中の力が抜け出た。
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