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水流金魚
第3章 溺れる金魚
「んっ……」

 二人の重なる吐息。

「好きだよ、花」

「あっ……りがと。んんっ……」

 溺れる。溺れてく。体がビクつく。もうすぐ優祐さんと出会って二年。逢う度に肌を重ねた。彼の指は、舌は、的確に私の敏感なところを捉えた。優しくて、なのに激しくて。

「っ……はぁ。んっ、あぁん」

 淫らな姿で体を反らして、体の奥の奥まで感じる。優祐さんの香り、触れ方、唇、体、全てが愛しい。この時間がずっと続けばいいのに――。

「花、も、ダメ、限…、界」

 その瞬間に下腹部が熱くなる。ドクドクと流れ込む感覚と温かさ。ボーっとする。明日なんて来なくていいのに。本気でそう思ったよ。確かに私は優祐さんを――。この気持ちに嘘はなかった。だけどゴメン。目を瞑ると思い出したのは咲ちゃんの「行かないで」だった。
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