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水流金魚
第4章 金魚の涙
 次の週末、翔ちゃんに連れられた精神科で告げられたのは産後うつ。秘密厳守だと言うことは分かっていても私は本当のことを精神科の先生に言うことさえ出来なかった。翔ちゃんは優しくしてくれる。

「何も知らないくせに!」

「ごめん」

 当たり散らしてばかり私を見かねて、子ども達は、夏休みの間、暫く翔ちゃんの実家に預けることになり、私は自分の実家に帰った。

 全てを知るミキに週一回のカウンセリングを受けた。ミキからは、

「仕事として診るから、私の本音は敢えて言わないからね。でも、一言だけ。本当に大切なことにいつか気づけるといいね」

 最初にそう言われた。

 私の症状はよくなるどころか実家に帰ったことで自由な時間が増えて、余計に荒れた。ミキから教えてもらった例のアプリを使って好きでもない人たちとのSEXに溺れた。だけど後に襲うのは後悔と罪悪感。一瞬の快楽に魂を売って、精神科での薬の量も市販薬を飲む量も増える一方だった。

 苦しい、苦しい、苦しい誰か助けて――。
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