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壊してほしい
第2章 願望
Dが抜けている薄い木の板をじっと見る。


『……………さむっ』
氷月は、ガラス格子のドアを引いて店内に戻った。


施錠する。



『…………氷月さーん』

『ん?上階に居なよ、ここストーブ消したら極寒だからさ』
奥ドアから顔を覗かせた雫石にそう言うと、
『……いえ、あのーぅ……』何やら言いづらそうにもごもごしている。



店内は仕舞いを終えた。

氷月は調理服を脱ぎながら奥ドアに進む。



『どした?』2階に上がり、
タートルネックのセーター(調理服の中はいつもグレーかブラウンのタートルネックだ)にズボンでソファーに座り、
氷月はなぜか正座している雫石に訊ねる。



『………お願いがあるんですけど』

『なに?』

『服と下着の替えが………………』

『あ。そっか』ーーーー17歳の女の子なのだ。
一昨日から同じ衣類じゃ心地が悪いだろう。
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