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壊してほしい
第2章 願望
その7万は、
いつか…………


入り用の時のために置いといてほしい。



『明日、
買い行くか?』
氷月は提案する。
『俺、出してあげるよ。服代くらい』



雫石は顔を上げた。
『え、でも…………』


『まーいいから。
何十万もするわけじゃないし、バイト代だと思ってよ』

氷月は照れくさくなって万札を束ねた。
『これはちゃんと遣わずに持っておきなよ』
雫石に手渡す。


くるりと背中を向けた。


床に転がったテレビリモコンに手を伸ばす。
気恥ずかしくて間が持たない………


ドン、と雫石が背中に被さってきた。
『え………』




『ありがとう、ありがとう氷月さん…………』
背中にしがみついて雫石が溢す。


『いや、いいってば………』
雫石がぎゅっと抱きついていて、
膨らみが背中に当たっている。





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