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壊してほしい
第2章 願望
_______『空いてるなぁ、やっぱり平日は』

【ひいらぎ】から車で走ること1時間。

ショッピングセンターにて雫石と歩いている。



両腕にはショップの袋が3つ。


スカート、ジーンズ、セーターにカットソー。


つい多めに買ってしまった。
雫石が試着を繰り返すのが楽しくて、
「それがいいよ、似合う!」と完全に氷月好みのをチョイスした。



『あっ。
氷月さん、あそこ行きたい』
雫石が指さす方向を見る。


下着の店だ。



『あー……………、下着も要るよねそりゃ………』
恥ずかしい。

『雫石、これで好きなやつを買ってきな?』
1万円札を渡す。


が、
雫石はプイッとそっぽを向いた。
『やだ。
氷月さんが選んで?』



『えっ、恥ずかしいよ………
女子専用でしよ?』



『そんなことないよー。
ほら、カップルもいるよ?』雫石がイチャイチャしながらブラジャーを手にしているカップルを指した。




『あー…………わかったよ』
下着ショップに入る。

何だか周囲から咎められているような気分だ。


『これ、どう?氷月さん!』
黒いレースのブラジャー・ショーツセットを雫石は持ち、
氷月に見せた。


『あ…………うん。
雫石はこっちのが似合うよ?』
白く、リボンが真ん中に付いているブラジャー・ショーツ。

俯きながら勧める。


(顔が熱い………)

恥ずかしいけれど、
黒のレースは雫石らしくない気がした。



雫石がぱあっと明るい笑顔になる。
『本当?じゃあ、それにする!』



『へ?
俺好み………だよ?』



『うん!氷月さんに選んでもらったモノのほうがいいもの』
雫石はレジへと向かう。


『ちょい待ち!
1つじゃ替えがないだろー。
他にも選びなよ』

俺は思わず口を出した。



楽しい。

雫石が身につけるものを選んでる。


自分の事みたいに嬉しいと思った。










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