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壊してほしい
第2章 願望
『え、いいの?
食べたい!すっごくいい香りがする』



『プレーンだけどな。
紅茶にする?コーヒーにする?』

氷月は自分の分も盛り付け、
丸テーブルに雫石と腰を下ろした。



ホッと一息つく。





掛け時計が4時50分を指していた。




雫石はダージリンを飲み、
シフォンケーキをパクッと食べる。
『…………美味しい!
コツってあるの?ふんわり焼くのって』



『ん?
魔法』
氷月はミントの葉を噛みながら言う。



『ふふっ。
童話みたいだね。魔法かぁ~~~。
私にもかけて?』
雫石が片目を開く。



『…………………えーと、
あっ、雫石!あれ見てみ!時計が変だ!』


『へっ?!』
雫石は慌てて視線を掛け時計に移す。


その隙に氷月は雫石の首筋にキスをした。




『ひゃっ!
もぉーーー!びっくりしたぁ…………』



『ん。
だから、魔法な(笑)』



雫石が笑う。



そして上体を起こし、
氷月の唇に唇をつけた。



クリームの甘い味が広がる。


『…………ん、んん』
『甘い………んっ』

どちらからともなく、
抱き寄せ合う。




ガラン!とガラス格子の音がして、
急いで離れた2人だった…………………………………………………



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