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壊してほしい
第4章 突然
『!!飲まなくていいって!
マズイでしょ』


『んーん。
あー、飲めた!』

裸のまま、ごっくんした雫石がニコニコ笑う。

『もー。
吐き出していいのに。』


『飲んでみたかったの!
氷月さんのだから飲みたかったんだもん』

ぶーたれる雫石。


互いに服を着だした。

冬の夜は寒い。



『え?てことは初めて飲んだの?
もしかして』

スウエットを着た雫石は、
寝転がりながら『うん。そうだよ?』
と不思議そうな顔をする。



氷月は『ふ、ふーん………そうか』と動揺を隠した。



男に世話になりながら生活していたのだから、
てっきり飲んだこともあると思っていた。



(傷は付けるクセに、
そういう事はしなかったんだな………)




見知らぬ誰かに腹立ちながら、

しかし氷月は嬉しくもあって。



欠伸をして目を擦る雫石のオデコにキスをした。



『おやすみ、雫石』

『おやふみなさい……』
雫石は直ぐ寝息を立て始めた。




(………………。

雫石にしたプレイ、ハマりそう………)




やっばいかなー、と思いながら氷月も眠りに堕ちる。













______________________


冬の晴れの日。


太陽が弱々しくカフェを照らす。



その男かやってきたのは、
そんな日だった。



ガラン♪

『いらっしゃいませー』


スーツ姿の男が、朝イチの客だ。


氷月はオーダーを取りに向かう。

『ブラックコーヒーと、
あとピザトースト』

『かしこまりました』


氷月は手早くトーストに野菜とチーズを乗せて焼く。

そしてコーヒーと一緒にトレーに乗せて運んだ。

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