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無意味なPKを持つJKの話
第3章 カンがピンと
「あっそう。...ちょっとやめてくれない?」
自転車の後輪を横から蹴られて、ハンドルを持って支えるのがやっとだ。
「お前だろ」
「はぁ?」
「菅野のヅラ、外したの」
ジロリと眼光鋭く睨まれて、とっさに言葉が出てこない。
やっぱりバレてるんだ。
「...何のことか、サッパリ」
やっとその言葉が出てきたのは、しばらく固まった後だった。
なんとか顔の表情には出さなかったが、言葉が出るのも遅くなった。
方向転換して、逆方向へ自転車を動かす。
「じゃ、これ、バラまいていいんだな」
背中に言葉が投げつけられた。
これ?
振り返ると、スマホを片手に持ち上げている。
「写真に撮った」
嘘だ。
音なんて聞こえなかったし。
「嘘だとか思ってんの?ちゃんと撮れてるぜ。ヅラが浮んでるとこ」
小川が、画面を自分に向け操作し始めた。
「嘘でしょ」
写真?宙に浮んでいるところを?
冷や汗がどっと身体中から湧き出る。
画面を掲げて、ヅラのアップ写真を見せてきた。
ボヤけてはいるが、確かに浮んでいるような写真だ。
「今日のじゃねーよ。これは1週間ぐらい前の」
それからフリックして何枚も写真が出てくる。
「10日ぐらい前から気づいてた」
そんなに前から!
といっても日本史の授業自体が週に3回だ。
ということは、4、5回前からだろうか。
そんな前からずっと観察されていたんだ。
「っで、でも、浮かんでる写真だけじゃ、私がチカラ使ってるって分から...」
そこまで言って、口走ってしまったことに気づいて慌てて口を押さえる。
「やっぱりお前、超能力あんだな」
小川が、スマホから顔を上げて、こちらを睨んでいる。
逃げ出せば、否定すればいいのかもしれない。
でもこの鋭い追求から逃れることなんてできないように思われた。
「何で私だって気づいたの」
もう誤魔化しきれない。そう思った。
途端に睨むような態度だった小川の表情が明るくなった。
「やっぱりお前か!!!」
大きな声が自転車置き場に響き渡る。
「ちょっと、声大きいんだけど」
「あ、すまん」
部活動が終わった部があったらしく、ポロポロと自転車置き場に人が現れ始めた。
「場所、変えるか」
そう言う小川に、仕方なく付いていくことにした。
自転車の後輪を横から蹴られて、ハンドルを持って支えるのがやっとだ。
「お前だろ」
「はぁ?」
「菅野のヅラ、外したの」
ジロリと眼光鋭く睨まれて、とっさに言葉が出てこない。
やっぱりバレてるんだ。
「...何のことか、サッパリ」
やっとその言葉が出てきたのは、しばらく固まった後だった。
なんとか顔の表情には出さなかったが、言葉が出るのも遅くなった。
方向転換して、逆方向へ自転車を動かす。
「じゃ、これ、バラまいていいんだな」
背中に言葉が投げつけられた。
これ?
振り返ると、スマホを片手に持ち上げている。
「写真に撮った」
嘘だ。
音なんて聞こえなかったし。
「嘘だとか思ってんの?ちゃんと撮れてるぜ。ヅラが浮んでるとこ」
小川が、画面を自分に向け操作し始めた。
「嘘でしょ」
写真?宙に浮んでいるところを?
冷や汗がどっと身体中から湧き出る。
画面を掲げて、ヅラのアップ写真を見せてきた。
ボヤけてはいるが、確かに浮んでいるような写真だ。
「今日のじゃねーよ。これは1週間ぐらい前の」
それからフリックして何枚も写真が出てくる。
「10日ぐらい前から気づいてた」
そんなに前から!
といっても日本史の授業自体が週に3回だ。
ということは、4、5回前からだろうか。
そんな前からずっと観察されていたんだ。
「っで、でも、浮かんでる写真だけじゃ、私がチカラ使ってるって分から...」
そこまで言って、口走ってしまったことに気づいて慌てて口を押さえる。
「やっぱりお前、超能力あんだな」
小川が、スマホから顔を上げて、こちらを睨んでいる。
逃げ出せば、否定すればいいのかもしれない。
でもこの鋭い追求から逃れることなんてできないように思われた。
「何で私だって気づいたの」
もう誤魔化しきれない。そう思った。
途端に睨むような態度だった小川の表情が明るくなった。
「やっぱりお前か!!!」
大きな声が自転車置き場に響き渡る。
「ちょっと、声大きいんだけど」
「あ、すまん」
部活動が終わった部があったらしく、ポロポロと自転車置き場に人が現れ始めた。
「場所、変えるか」
そう言う小川に、仕方なく付いていくことにした。