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無意味なPKを持つJKの話
第4章 特訓
なんだその決めつけ。
好きじゃない女子だっているわ。

無言で睨んでいると、小川が立ち上がり。
倒していた自分の自転車を起こす。

「わかった。買ってくる」

そう言って暗闇に消えた。

土手から随分離れた所に自販機はある。



なんで小川は、そこまでして私に構うのだろう。

楽しいわけないのに。

そもそも、特訓して上達したら、どーなるのだ。

一向に、真上以外には動きそうにもなくて、到底役になんか立ちそうにないチカラなのに。


ベンチの横に、小川の剣道の道具一式が置いてある。
大きな袋に、竹刀が入っているらしき細長い袋。

立てかけてある竹刀の袋に、チカラを向けてみる。

斜めになった竹刀はやはりビクともしない。


横に倒してみる。

するとやはり持ち上がった。

「本当に意味わかんない」


遠くから小川の自転車の光が見えて、竹刀を元の位置に戻す。

「はい。コーラ」

「...ね。もう辞めにしない?」

小川の手からコーラを受け取って、そのまま自分の自転車のカゴに入れる。

「は?どうした急に」

急にじゃないし。

無言で睨んで、そのまま自転車のスタンドを外す。

「もう限界わかったしさ。これ以上こんな特訓意味無いし」

「意味はあるよ」

強い口調で小川が制した。

「全ての事に意味はある」

自転車の荷台が捕まれ、動かせなくなる。

「ちょっと!」

「お前のチカラにはきっと意味があるし。それに俺が気づいたのだって、絶対意味があるんだ」

急になんだか運命論みたいなのを話出して、力説を始めた。

なんだそのキモい宗教みたいな、と思いそのままそれを口にしようと小川の方を向いた。

こちらを見つめるその目つきが、なんだか切なくて。
その思ってもなかった表情に、喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。

「何よ、それ...」

「ん?あ。まぁ、なんだ。...その」

小川が我に返ったように急に荷台から手を離して、顔も背けた。

「つまりさ、俺はヨーダなんだよ。で、お前はルーク」

「は???」

急に何を言い出したのか分からない。

そんな明子から自転車を奪ってスタンドを立て、カゴからコーラを取って座るのを促される。

「ちょっと。だから、なんで」

「え、お前スターウォーズ見てないの?」

「何それ知らない」

「マジで?あの名作を??」
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