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無意味なPKを持つJKの話
第6章 ユイ
教室に戻ると、担任が出席を取り始めていて。
明子はなんとか滑り込みで、返事が出来た。

担任がいるからか、もしくはもう飽きたのか、明子が来ても昨日ほどそんなにウワサ話をしている風ではない。

小川も普通に出席している。
というか、机に突っ伏して寝ているようで、その表情は分からない。

短いHRが終わると、あの親切の押し売り女が無駄に笑顔を振りまいてやってきた。

「ねぇ〜、岡本さん?」

「...何か?」

聞きたいことは、シオリに聞けたし。
もうコイツに用はない。

「小川くんと付き合ってるの??」

ワザとクラス中に聞こえるように、そして恐らく起きているだろう小川にも聞こえるように、ぶっ込んできた。

「...付き合ってない」

答えるのも面倒臭いのだが、放置するわけにもいかない。
明子も皆に聞こえるように、仕方なく声を張る。

こっちとら、さっき聞いたハナシがあまりにも衝撃的過ぎて、そのショックから抜け出せないでいるのに。
甘い媚びたようなブリッコ声が癪に障る。

「え〜?だってー。昨日、河原のベンチに2人で仲良く座ってるの見たって子がいるんだよぉ?」

昨日は、比較的明るい時分に河原で会ったからか、誰かに見られてしまっていたようだ。

「...人違いじゃない?」

「え〜?うっそ〜ぉ〜?ほんとにぃ〜?」

何とワザとらしい。

どう言い返してやろうか考えていると、後ろから声がかかる。

「高橋」

自分の席に座ったまま珍しく大きな声をあげたその人物に、ブリッコしていた親切の押し売り女が驚いている。
明子もまさか小川がこのタイミングで声をかけてくるとは思わなかった。

しかも、この女、高橋って名前なんだ。
今知った。

「え、な、何よ」

さっきまでとトーンが変わって低い声になってしまっているのは、本人無意識なんだろう。
効果音が聞こえてきそうなぐらい、たじろんでいる。

教室中が、水を打ったように静まり返っていて。
小川がつぎに何と言うかに密かに耳を傾けているのがわかる。

「人違いだ。何で俺が岡本と河原に行く必要がある?」

淡々と力強く話す小川の声には、妙に説得力がある。

「そう...だよね」

完全に気圧されて、高橋は自分の席に尻尾を巻いて退散した。

チャイムが鳴ると同時に世界史の先生がやってきて、何事もなかったかのように1時間目も始まった。
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