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無意味なPKを持つJKの話
第6章 ユイ
なんでこんなことに。
誰がこんなとこに。

と心で小川を呪いながら、雨に濡れた階段を登る。

階段と言っても、細い丸太で土を区切って作られた山道特有の物で。
間隔は均等でないし、高さもまちまちで、登るのが本当に一苦労だ。
しかも、雨でできたぬかるみに、時折足を取られそうになりながら進まなくてはならない。

レインコートのせいもあって、思うほど足が上がらず、10数段登っては一息ついて。
その度に上を見上げては、ため息をついた。


なんとか指定された、その裏山の山頂らしき所にたどり着いた。
あたりは随分暗くなっていて、広場の隅っこにちいさくて汚なそうな公衆トイレがあり。
その入口に、切れかけの蛍光灯がついてるだけだ。

そのほのかな光の向こうで、ぐらりと影が動いた。
 

熊っ!?!?


「あー。やっと来た。おせーよ!」

「...小川?」

どうやら呼び出した張本人らしい。

固まって動けずにいたが、聞きなれた声になんとか動き出す。

ここまでキツかったのと、驚いたので心臓がバクバクだ。


小川が座っていたのは、トタン屋根に背もたれの無い木製のベンチがぽつんぽつんと二つ並べて置いてあるだけの休憩所だ。

時間を見ると、確かに小川のあのメモの時間は20分ほど過ぎている。

思っていたより階段が多くて時間がかかった。
その上、雨もしとしと降ってるし。
レインコートは、汗で体に張り付くし。
足は滑りそうになるし。

どうやら小川は別ルートで山頂まで来たらしい。
傘を持っていて、それでここまで登って来たのか、柱に立てかけてある。


明子は疲れきって、まずは言いたかった文句が言えない。
ゼイゼイ息を上げながらなんとかレインコートを脱いで、ベンチに座る。

「体力なさすぎじゃね?1番緩やかな初心者・年寄りコースだぞ、ここ」

小川情報によると、まだ中級と上級コースとして、すぐ隣のもっと大きな山を回るコースがあるらしい。

「小川、どう、してこっこに、呼び出、したのっ」

「まあ、まあ。これやるから、落ち着け。な」

渡されたのはコーラだ。
確かに喉カラカラだけど、こんなにゼイゼイ言ってて炭酸はキツい。

ひと睨みして、だけど受け取る。

後で飲むもん。

「前から、どっか他にいいとこないかなって探してたんだ。どう?ここ。屋根あるぜ」

屋根がどうとかいう問題か!
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