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無意味なPKを持つJKの話
第9章 友達以上、セフレ未満
模試の成績がなかなか良かった。

特に苦手でなかなか点数があがらなかった数学が、この夏休みのスパルタ勉強会で飛躍的に伸びて、母親も驚いていた。
いつも勉強を教わっている友達のオカゲだと伝えると、梨を快く持たせてくれたぐらいに。

明子の家から小川の家までは、夏休みに通い慣れたとはいえ小1時間かかる。
その間に、小川の母親が出てきた時のシュミレーションをしてみた。

「いつも勉強でお世話になっているので...」

と挨拶して、んで。
軽く小川の事を聞いてみよう。
勉強のし過ぎで体調が悪いとかかもしれないし。

小川の家に着くと、家の裏に小川の母親の車は無かった。
ということは、仕事なり用事なりで出掛けているということ。
そんな日は、いつもなら勝手に玄関をガラガラっと開けて入るが、今日は約束もしてないし一応ピンポンを押してみる。

1階の窓は開いているし、気配もするのに、小川が出てこない。
2階の部屋の窓にはカーテンが掛かっているようで、見えないが、きっとそこに居るはずだ。

何度かしつこく鳴らす。
寝ているのかもしれない。
電話をしてみるべきだろうか。

と、その時、ドタドタと階段を降りる音がして。
小川が起きてきたのかと思っていると、見たことない女性が顔を出す。

「...はい。え、誰??」

不機嫌そうに眉間にシワを寄せたその女性は、明らかに今キャミを引っ掛けて来ましたというイデタチで。
明るいショートの髪も乱れていて、手ぐしで撫で付けるようにしている。


あ。

そうか。


彼女が出来たのか。

それなら、そうと言ってくれれば良かったのに。


誰の目にも明らかなぐらい、その最中に中断して出てきたっぽい。

豊満なカラダからは、明子にも分かるぐらい色香が出ていている。

首筋に、今日のものではないいくつものアトが薄ら浮かんでいて。



驚きで、用意していたセリフが全く出てこない。


「あの、これ。その、...えっと、おすそわけ、なんで」

その女性に梨の入った紙袋を押し付けて、急いで自転車にまたがる。

「え、ちょっと。だから、誰なのよ」

怒ったような口ぶりのその女性に背を向け、ペダルにぐっと力をかけて一目散にその場を去ろうとした時。

「あ、ユイちゃんの代わりの子?」

1番聞きたくなかった言葉が背中に投げかけられた。
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