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無意味なPKを持つJKの話
第10章 呪縛
そんな事、全然教えてくれてなかった。

あの夏休み最後の旅行が、そんな旅行だったなんて。

しかも、3周忌とか。


確かに、直接ユイを知るわけでもなくて。
ましてや、友だちでもなんでもないけど。

あの日の小川の様子に、あの期間がユイと何か関連があったのかもとは思い始めていた。

そういえば命日だったかな、とは少し思ったけど。

ーそれで、お姉さんがあんなに怒ってたんだ。


窓の外のすっかり夕日に染まった雲を眺めていると、シオリがより声を潜めてきた。

「岡本さんは、小川くんの事が好きなの?」

「へっ!?んなワケないない!!」

全力で否定する。

その返答は不自然になったかもしれない。

「...そっか。そうならいいのに」

「え!な、んで??」

きっと今の関係を知られたら、明子の事はともかく、小川のことを幻滅してしまうに違いない。

いくらユイのことを思っていたとしても。

「んー?なんとなく?」

「いやいや。ない、ないから」

「じゃあ、今日はどうして?」

それは当然の疑問だろう。
そんな質問が来るとは思ってなかったから、言葉が出てこない。

「それは...」

「責めてるんじゃないのよ」

シオリの真っ直ぐな目が、すべてを見透かしてしまいそうで怖い。

「いや、なんか。ここの所、小川が...、小川くんの雰囲気が、なんか違うなって。なんかあったのかなって...」

髪が伸びただけじゃない、何かが彼の中で変わった気がした。

もともと、影があるというか、少しクールな雰囲気だったが。
それが一層深まって、憂いを帯びていて。
いつ、ふっといなくなってしまうかと思えるほどに。

「ユイのこと今も思ってくれるのは、私も嬉しいけど。だけど、もう2年経つし」

一生引きずったままなのは、ユイが可哀想。

ユイは、そんな事望んでないハズだ。

「そのことは、3周忌の時にも私言ったんだけどね」

そろそろ次の恋をしても許されるはずだ。

そして、ユイを思い出にしてあげないと、きっと成仏出来ない。

「そう思わない?」

じっとシオリに見つめられて、なんと答えたらいいのか戸惑ってしまう。

「そう...かも、ね」

これ以上会話をしたら、全て分かってしまいそうで。
お礼を言ってそそくさと退散した。


カバンを取りに自分の教室に戻ると、携帯に小川からメールが来ていた。
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