この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
無意味なPKを持つJKの話
第10章 呪縛
そんな事、全然教えてくれてなかった。
あの夏休み最後の旅行が、そんな旅行だったなんて。
しかも、3周忌とか。
確かに、直接ユイを知るわけでもなくて。
ましてや、友だちでもなんでもないけど。
あの日の小川の様子に、あの期間がユイと何か関連があったのかもとは思い始めていた。
そういえば命日だったかな、とは少し思ったけど。
ーそれで、お姉さんがあんなに怒ってたんだ。
窓の外のすっかり夕日に染まった雲を眺めていると、シオリがより声を潜めてきた。
「岡本さんは、小川くんの事が好きなの?」
「へっ!?んなワケないない!!」
全力で否定する。
その返答は不自然になったかもしれない。
「...そっか。そうならいいのに」
「え!な、んで??」
きっと今の関係を知られたら、明子の事はともかく、小川のことを幻滅してしまうに違いない。
いくらユイのことを思っていたとしても。
「んー?なんとなく?」
「いやいや。ない、ないから」
「じゃあ、今日はどうして?」
それは当然の疑問だろう。
そんな質問が来るとは思ってなかったから、言葉が出てこない。
「それは...」
「責めてるんじゃないのよ」
シオリの真っ直ぐな目が、すべてを見透かしてしまいそうで怖い。
「いや、なんか。ここの所、小川が...、小川くんの雰囲気が、なんか違うなって。なんかあったのかなって...」
髪が伸びただけじゃない、何かが彼の中で変わった気がした。
もともと、影があるというか、少しクールな雰囲気だったが。
それが一層深まって、憂いを帯びていて。
いつ、ふっといなくなってしまうかと思えるほどに。
「ユイのこと今も思ってくれるのは、私も嬉しいけど。だけど、もう2年経つし」
一生引きずったままなのは、ユイが可哀想。
ユイは、そんな事望んでないハズだ。
「そのことは、3周忌の時にも私言ったんだけどね」
そろそろ次の恋をしても許されるはずだ。
そして、ユイを思い出にしてあげないと、きっと成仏出来ない。
「そう思わない?」
じっとシオリに見つめられて、なんと答えたらいいのか戸惑ってしまう。
「そう...かも、ね」
これ以上会話をしたら、全て分かってしまいそうで。
お礼を言ってそそくさと退散した。
カバンを取りに自分の教室に戻ると、携帯に小川からメールが来ていた。
あの夏休み最後の旅行が、そんな旅行だったなんて。
しかも、3周忌とか。
確かに、直接ユイを知るわけでもなくて。
ましてや、友だちでもなんでもないけど。
あの日の小川の様子に、あの期間がユイと何か関連があったのかもとは思い始めていた。
そういえば命日だったかな、とは少し思ったけど。
ーそれで、お姉さんがあんなに怒ってたんだ。
窓の外のすっかり夕日に染まった雲を眺めていると、シオリがより声を潜めてきた。
「岡本さんは、小川くんの事が好きなの?」
「へっ!?んなワケないない!!」
全力で否定する。
その返答は不自然になったかもしれない。
「...そっか。そうならいいのに」
「え!な、んで??」
きっと今の関係を知られたら、明子の事はともかく、小川のことを幻滅してしまうに違いない。
いくらユイのことを思っていたとしても。
「んー?なんとなく?」
「いやいや。ない、ないから」
「じゃあ、今日はどうして?」
それは当然の疑問だろう。
そんな質問が来るとは思ってなかったから、言葉が出てこない。
「それは...」
「責めてるんじゃないのよ」
シオリの真っ直ぐな目が、すべてを見透かしてしまいそうで怖い。
「いや、なんか。ここの所、小川が...、小川くんの雰囲気が、なんか違うなって。なんかあったのかなって...」
髪が伸びただけじゃない、何かが彼の中で変わった気がした。
もともと、影があるというか、少しクールな雰囲気だったが。
それが一層深まって、憂いを帯びていて。
いつ、ふっといなくなってしまうかと思えるほどに。
「ユイのこと今も思ってくれるのは、私も嬉しいけど。だけど、もう2年経つし」
一生引きずったままなのは、ユイが可哀想。
ユイは、そんな事望んでないハズだ。
「そのことは、3周忌の時にも私言ったんだけどね」
そろそろ次の恋をしても許されるはずだ。
そして、ユイを思い出にしてあげないと、きっと成仏出来ない。
「そう思わない?」
じっとシオリに見つめられて、なんと答えたらいいのか戸惑ってしまう。
「そう...かも、ね」
これ以上会話をしたら、全て分かってしまいそうで。
お礼を言ってそそくさと退散した。
カバンを取りに自分の教室に戻ると、携帯に小川からメールが来ていた。