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無意味なPKを持つJKの話
第11章 Someday
口に出すどころか、心の中でも意識をしないようにいたのに。
するりと口から零れた。
さっき、小川が聞いてきたからかもしれない。
自分の気持ちをずっと押し込めて、考えないようにしていたことが。
押し込めていた気持ちが決壊してしまった。
思いの外、落ち着いている自分に驚く。
認めてしまったら、もっと戸惑って取り乱し、必死に否定して、逃げてしまう気がしていたのに。
驚く自分はいるものの、それを冷静に見ている自分が上回る。
明子のそんな言葉も、さっきから続く寝息がかき消して。
当然、熟睡している小川には届く筈もない。
そんな、ぐうぐうとイビキをかく姿でさえ、好きなんだと思える。
それは、いつ芽生えたのだろう。
自分でも分からない。
そして、とこがいいんだろう。
遠い記憶の彼女を、後ろ姿に投影されて。
ただ、その代わりとしてしか愛されないのに。
それでもいいって。
自分でもそこまで、何で思えるの分からない。
だけど、そう思ってしまう。
分からなくていい、そんな気さえする。
あと卒業までの短い時間、こうしていたい。
ただそれだけ。
だから、この気持ちは言わない。
今まで通り。
明子は起こしていた頭を、小川の肩に置き直し、目を固くつぶった。
「...起きろよ。遅刻だぞ」
かなり強く、肩を揺さぶられて目が覚める。
「えー?」
「えー?じゃねぇし!って、ゆーかさ、重いんだけど。なんでお前、俺の上で寝てんの」
「...だって小川が布団出してくんないからじゃん」
小川の上に大きく体を預けて、うつ伏せのようにして眠っていたらしい。
「おま!ヨダレ!きったな!!」
「あら。ほんと」
うつ伏せていたから、小川の胸のあたりのスウェットに、シミが出来ている。
起き上がって口の周りをぬぐうと、手がしっとりした。
「なんか腕がいてぇし。布団、隣の部屋から持ってきたらいいだろー」
「おねーさんの部屋に勝手に入れないよ!」
好き?と聞かれたのが、夢だったのではないかと思うぐらい、いつも通りで。
自分の気持ちも受け入れて。
気まずくなるかと思っていたので、このやりとりに心底ほっとする。
大丈夫、今まで通り。
「何笑ってんの。マジでヤバイって!」
バタバタ着替えながら、大急ぎで学校へ向かった。
するりと口から零れた。
さっき、小川が聞いてきたからかもしれない。
自分の気持ちをずっと押し込めて、考えないようにしていたことが。
押し込めていた気持ちが決壊してしまった。
思いの外、落ち着いている自分に驚く。
認めてしまったら、もっと戸惑って取り乱し、必死に否定して、逃げてしまう気がしていたのに。
驚く自分はいるものの、それを冷静に見ている自分が上回る。
明子のそんな言葉も、さっきから続く寝息がかき消して。
当然、熟睡している小川には届く筈もない。
そんな、ぐうぐうとイビキをかく姿でさえ、好きなんだと思える。
それは、いつ芽生えたのだろう。
自分でも分からない。
そして、とこがいいんだろう。
遠い記憶の彼女を、後ろ姿に投影されて。
ただ、その代わりとしてしか愛されないのに。
それでもいいって。
自分でもそこまで、何で思えるの分からない。
だけど、そう思ってしまう。
分からなくていい、そんな気さえする。
あと卒業までの短い時間、こうしていたい。
ただそれだけ。
だから、この気持ちは言わない。
今まで通り。
明子は起こしていた頭を、小川の肩に置き直し、目を固くつぶった。
「...起きろよ。遅刻だぞ」
かなり強く、肩を揺さぶられて目が覚める。
「えー?」
「えー?じゃねぇし!って、ゆーかさ、重いんだけど。なんでお前、俺の上で寝てんの」
「...だって小川が布団出してくんないからじゃん」
小川の上に大きく体を預けて、うつ伏せのようにして眠っていたらしい。
「おま!ヨダレ!きったな!!」
「あら。ほんと」
うつ伏せていたから、小川の胸のあたりのスウェットに、シミが出来ている。
起き上がって口の周りをぬぐうと、手がしっとりした。
「なんか腕がいてぇし。布団、隣の部屋から持ってきたらいいだろー」
「おねーさんの部屋に勝手に入れないよ!」
好き?と聞かれたのが、夢だったのではないかと思うぐらい、いつも通りで。
自分の気持ちも受け入れて。
気まずくなるかと思っていたので、このやりとりに心底ほっとする。
大丈夫、今まで通り。
「何笑ってんの。マジでヤバイって!」
バタバタ着替えながら、大急ぎで学校へ向かった。