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無意味なPKを持つJKの話
第11章 Someday
自転車で一緒に登校したらマズいかなとか、そんな事を考える間もなく。
推薦試験を間近に控え遅刻するワケにはいかなかった小川は、マッハで自転車を漕いで明子を突き放した。

小川の姿が見えなくなって1度は遅刻を覚悟した明子も、なんとか奮起して自転車を急がせた。

出席を取り始めた声のする教室に、バタバタと駆け込んで、後ろのドアを音を立てて開ける。
みんな振り返って、教室中の注目を浴びてしまった。

「...と、岡本。早く席につけー。遅刻にするぞー」

担任がジロりと睨んで来る。
だけど、遅刻にはしないようだ。

「すいません」

ぜいぜいと荒い息を押さえながら、急いで席につくときに、小川の机の横をすり抜ける。
きっと前を向いて涼しい顔をしていて。
んでもって、素知らぬ顔をしているに違いない。

ちらりと見ると、意外にも目が合う。
その目は笑っていて、口元は“おっせー”と動いている。

今まで教室で、そんな風に絡んだことなんてなくて。
その事に驚き注意散漫になって、何かにつまづいてしまう。

「ぎゃっ!」
 
荷物か何かに足がひっかかかってコケそうになり、飛び跳ねるようにして自分の机にしがみつき、なんとか堪えた。
腕を机の角で強く打った気もするが、床に倒れこまなくて良かった。

出席がまだ取られている教室で、大げさな音を立ててコケてしまった。
こんなに注目を集めるつもりなんてなかったのに。

くすくすと笑い声がする中、立ち上がりイスを引いて席につく。
さっきの小川の笑顔が頭から離れない。
後ろから視線を感じるだけに、振り向けずにいた。


HRが終わって、痛む腕を制服の上からさすっていると、目の前に人が立った。

「大丈夫か?腕」

それは小川で。
まさか教室で声かけてくるとは思わなくて。

「え?あ、う、うで??」

「コケた時、すげー音してたから」

心配そうに覗き込んでくる。

なになに、なんで??

「だ、大丈夫。大丈夫」

慌ててその手を振ると、その手の向こうにほっとした小川の顔が見えた。

「そっか。痛くなったら保健室行けよ」

そう言って自分の席に戻っていった。



なんなんだ。さっきから。


心臓がばくばく音を立てて血流が回るからか、腕もじんじんする。

普通のクラスメイトの会話といえば、そうなのかもしれないけど。

見ようによっては違ってくる。
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