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第6章 寝物語【陽炎】
サヨの招き猫は好評で、客からも可愛いがられた。
鷺が帰ってきて、店の端っこでサヨと飯を食う。
そのうち酔った客が
「サヨ坊は父ちゃんに似て器量好しだな!母ちゃんに似なくてなによりだ!こりゃああと十年もすりゃあ男が列なして嫁に請われらぁ」
その言葉に、サヨがつ、と俯いた。
当の客は酔っているから気が付かなかったが、正面に座る鷺は、娘の微妙な変化を肌で感じ取る。
「るい!ごっそさん。」
「はいよ!湯はもうちょっと待って頂戴な」
「おぅ、慌てんな、落ち着いてからでいいぜ」
サヨを連れ、暖簾をくぐって外に出る。
風の冷たさが、冬の訪れを告げる。
片手に杖を持った鷺が、もう片手に娘の手を引き、裏手の家に帰った。
鷺が帰ってきて、店の端っこでサヨと飯を食う。
そのうち酔った客が
「サヨ坊は父ちゃんに似て器量好しだな!母ちゃんに似なくてなによりだ!こりゃああと十年もすりゃあ男が列なして嫁に請われらぁ」
その言葉に、サヨがつ、と俯いた。
当の客は酔っているから気が付かなかったが、正面に座る鷺は、娘の微妙な変化を肌で感じ取る。
「るい!ごっそさん。」
「はいよ!湯はもうちょっと待って頂戴な」
「おぅ、慌てんな、落ち着いてからでいいぜ」
サヨを連れ、暖簾をくぐって外に出る。
風の冷たさが、冬の訪れを告げる。
片手に杖を持った鷺が、もう片手に娘の手を引き、裏手の家に帰った。