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another storys
第10章 Ma petite chérie.【Cross roads】
「え~、いいじゃん。俺萩原くんのお父さんとも一度話してみたかったんだよね。ほら、上司として?」
その言葉に、親父が更にギョッとして祥悟さんを見た。
そりゃそうだよな。こんな軽い感じの、しかも若い人が上司だと思わないだろ。
「ちょっと、祥悟くん!」
結城さんは祥悟さんの袖を引っ張るけど、祥悟さんは全然ひかない。頑張れ結城さん!
「えーと…隆行、こちら、は…?」
高速まばたきで必死に脳内の情報を整理しようとしている親父。
「上司、の、武井部長…です。」
「部長!?…あ、いや、失礼」
ゴホン、と咳払いした親父に祥悟さんはハハっと笑って。
「いいえ、僕自身も呼ばれ慣れてないんで。萩原くん、いつも通りに祥悟でいいよ。萩原くんが手掛けたリング、お父さんが申し込んでくださってるって聞いてたので、お礼方々、一度ご挨拶したかったんです。」
一転して真面目な声で、財布から名刺を取り出し、親父に渡す。親父も慌てて財布から名刺を出し、二人とも私服で完全にプライベートなのに、畏まって名刺交換する様子はなんだか奇妙だった…
その言葉に、親父が更にギョッとして祥悟さんを見た。
そりゃそうだよな。こんな軽い感じの、しかも若い人が上司だと思わないだろ。
「ちょっと、祥悟くん!」
結城さんは祥悟さんの袖を引っ張るけど、祥悟さんは全然ひかない。頑張れ結城さん!
「えーと…隆行、こちら、は…?」
高速まばたきで必死に脳内の情報を整理しようとしている親父。
「上司、の、武井部長…です。」
「部長!?…あ、いや、失礼」
ゴホン、と咳払いした親父に祥悟さんはハハっと笑って。
「いいえ、僕自身も呼ばれ慣れてないんで。萩原くん、いつも通りに祥悟でいいよ。萩原くんが手掛けたリング、お父さんが申し込んでくださってるって聞いてたので、お礼方々、一度ご挨拶したかったんです。」
一転して真面目な声で、財布から名刺を取り出し、親父に渡す。親父も慌てて財布から名刺を出し、二人とも私服で完全にプライベートなのに、畏まって名刺交換する様子はなんだか奇妙だった…