この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
another storys
第11章 約束【陽炎】
「ありがとう、ちょっとサヨと話してみるよ。縁談の話はまたこっちからお願いするかもしれないけど、先方にはちょっと返事は待っておくれな」
話好きのお内儀はまだ言い足りない様子だったが、るいは早々に話を切り上げ、その場を離れた。
「サヨ。ちょっといい?」
家に帰り、店に出る仕度をしながらサヨに話しかける。
「なぁに、おっかさん?」
「昨日ね、湯島のあたりでアンタと市八を見かけたっていう人が居るんだけど。.昨日は何処に行ってたの。」
サヨがギョッとしてるいを振り仰ぐ。
「き…昨日は…あの、その、天神さんで、梅を見て、団子、食べて、それから…」
「それから?」
冷めた目で見返してくるるいに、サヨの唇が僅かに震える。
「それから…あの…」
話好きのお内儀はまだ言い足りない様子だったが、るいは早々に話を切り上げ、その場を離れた。
「サヨ。ちょっといい?」
家に帰り、店に出る仕度をしながらサヨに話しかける。
「なぁに、おっかさん?」
「昨日ね、湯島のあたりでアンタと市八を見かけたっていう人が居るんだけど。.昨日は何処に行ってたの。」
サヨがギョッとしてるいを振り仰ぐ。
「き…昨日は…あの、その、天神さんで、梅を見て、団子、食べて、それから…」
「それから?」
冷めた目で見返してくるるいに、サヨの唇が僅かに震える。
「それから…あの…」