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another storys
第11章 約束【陽炎】
「アンタさぁ、嫁入り前の娘がなんてあたしやおとっつぁんが人に言われてんの、どう思う?市八が悪いとは言わないよ。だけど、あの子はまだ半人前の奉公人だ。すぐに嫁に取ってもらえる立場じゃないだろ?そのくらいのこと解らない訳じゃないだろうね?」
「だけど….市っちゃんとは年に二度の薮入りしか逢えないんだもん…」
「そんなこと言ってんじゃないよ?所帯も持たずに孕んだらどうすんだッて言ってんだよ。市八はそんなことも気にせずにお前で欲吐いてるだけじゃなかろうね?」
サヨは唇を噛み締め、泣きそうな顔でるいを睨む。
「市っちゃんはそんなんじゃない!優しくしてくれるし…嫌ならいいって言ったの。だけど、あたしも市っちゃんが好きだから…」
るいは、はぁっと溜息を吐く。
「で?市八はまだ自分が半人前の内にお前が孕むことは考えないって訳かい?」
「それは…」
「まぁ、もう済んじまったことはしょうがない。その代わり、月のものがちょっとでも遅れたら直ぐおっかさんに言うんだよ?わかったね⁉︎」
厳しい言葉にサヨは項垂れ、その日は店を手伝う間もひと言も喋らなかった。
「だけど….市っちゃんとは年に二度の薮入りしか逢えないんだもん…」
「そんなこと言ってんじゃないよ?所帯も持たずに孕んだらどうすんだッて言ってんだよ。市八はそんなことも気にせずにお前で欲吐いてるだけじゃなかろうね?」
サヨは唇を噛み締め、泣きそうな顔でるいを睨む。
「市っちゃんはそんなんじゃない!優しくしてくれるし…嫌ならいいって言ったの。だけど、あたしも市っちゃんが好きだから…」
るいは、はぁっと溜息を吐く。
「で?市八はまだ自分が半人前の内にお前が孕むことは考えないって訳かい?」
「それは…」
「まぁ、もう済んじまったことはしょうがない。その代わり、月のものがちょっとでも遅れたら直ぐおっかさんに言うんだよ?わかったね⁉︎」
厳しい言葉にサヨは項垂れ、その日は店を手伝う間もひと言も喋らなかった。