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another storys
第11章 約束【陽炎】
それから幾日かして…
「市八!」
「はい!」
奉公先の但馬屋で、番頭に呼ばれた市八。
「小石川の高石養生所の先生ってなお前の知り合いかい?」
「はい…?」
高石養生所と看板を掲げてはいるが、そこには先生などいない。何のことだろうと訝しんだ市八に、番頭が言葉を続ける。
「いや、薬の注文が入ったんだけどよ、市八を寄越してくれと名指しなんだよ。それで知り合いかと思ってな。」
「はぁ、実家の近所で、昔から世話になってる人が居ます…」
「そうかい。なら名指しだからよ、急ぎの仕事がねぇなら行ってやってくれ」
「解りました。」
市八は身支度を整え、言われた薬を持って、小石川に向かった。
「市八!」
「はい!」
奉公先の但馬屋で、番頭に呼ばれた市八。
「小石川の高石養生所の先生ってなお前の知り合いかい?」
「はい…?」
高石養生所と看板を掲げてはいるが、そこには先生などいない。何のことだろうと訝しんだ市八に、番頭が言葉を続ける。
「いや、薬の注文が入ったんだけどよ、市八を寄越してくれと名指しなんだよ。それで知り合いかと思ってな。」
「はぁ、実家の近所で、昔から世話になってる人が居ます…」
「そうかい。なら名指しだからよ、急ぎの仕事がねぇなら行ってやってくれ」
「解りました。」
市八は身支度を整え、言われた薬を持って、小石川に向かった。