この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
another storys
第12章 Restart【Cross roads】
後日、雑誌でがん治療のドキュメントの記事を読んだ時、『完治の見込みのない患者と向き合うのは、本当にパワーを必要とする』という一文を読んだが、まさにその通りだった。
結局、治療の甲斐もむなしく、響子は、満希が1歳の誕生日を迎える前に亡くなった。
響子の家は、お父さんがすでに亡くなっていて、お母さんも頭はしっかりしてるけど脚が悪くて、お兄さん夫婦と同居していたから、俺たちの育児とか響子の闘病生活に関してはほぼノータッチに近かった。
対して俺の両親はまだ60前で2人とも元気だったから、相変わらず子供は実家に預けっぱなしで、週末金曜の夜か土曜の朝に実家に迎えに行って週末は3人で過ごす、という生活がパターン化していた。
親も2人の子守はなかなか大変そうで、申し訳ないな、と思いつつ、しばらくは再婚なんて考えられなかったし、親にしても、妻を亡くした息子に向かって、さっさと再婚して子供を引き取れという催促はしにくかっただろう。
結局、治療の甲斐もむなしく、響子は、満希が1歳の誕生日を迎える前に亡くなった。
響子の家は、お父さんがすでに亡くなっていて、お母さんも頭はしっかりしてるけど脚が悪くて、お兄さん夫婦と同居していたから、俺たちの育児とか響子の闘病生活に関してはほぼノータッチに近かった。
対して俺の両親はまだ60前で2人とも元気だったから、相変わらず子供は実家に預けっぱなしで、週末金曜の夜か土曜の朝に実家に迎えに行って週末は3人で過ごす、という生活がパターン化していた。
親も2人の子守はなかなか大変そうで、申し訳ないな、と思いつつ、しばらくは再婚なんて考えられなかったし、親にしても、妻を亡くした息子に向かって、さっさと再婚して子供を引き取れという催促はしにくかっただろう。