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another storys
第12章 Restart【Cross roads】
桜さんが、そっとハンカチを差し出す。
反射的に受け取り、目をぱちぱちしたら、目尻に水が流れる感触があって。
寝ながら泣いていたことに気付き、慌てて袖で拭った。
「すみません、みっともないトコ見せちゃって…」
「いいんですよ。私しか居ませんから。誰にも言いません。」
「あれ、ママは…」
「先に帰りました。寝る前に、ラストオーダーでお会計も済まして貰ったし、私は家が近いので、遅くなっても平気だから…」
「え⁉︎マジで?本当にごめんなさい!今何時⁉︎」
桜さんは壁の時計を見て、
「3時…」
と呟いた。何やってんだ俺は…申し訳無い気持ちで深い溜息をついた俺に桜さんが言葉を続ける。
「ヨウコさん、て、新田さんの奥様…?」
「え?」
「ずっと、呼んでらしたから…」
寝ながら泣いてた上にうわ言まで言ってたのか…ますます恥ずかしい…
片手で顔を覆い隠しながらかぶりを振る。
「ヨウコじゃなくて…キョウコ…亡くなった、嫁の名前です」
桜さんは大きく目を見開いて俺を見た。
反射的に受け取り、目をぱちぱちしたら、目尻に水が流れる感触があって。
寝ながら泣いていたことに気付き、慌てて袖で拭った。
「すみません、みっともないトコ見せちゃって…」
「いいんですよ。私しか居ませんから。誰にも言いません。」
「あれ、ママは…」
「先に帰りました。寝る前に、ラストオーダーでお会計も済まして貰ったし、私は家が近いので、遅くなっても平気だから…」
「え⁉︎マジで?本当にごめんなさい!今何時⁉︎」
桜さんは壁の時計を見て、
「3時…」
と呟いた。何やってんだ俺は…申し訳無い気持ちで深い溜息をついた俺に桜さんが言葉を続ける。
「ヨウコさん、て、新田さんの奥様…?」
「え?」
「ずっと、呼んでらしたから…」
寝ながら泣いてた上にうわ言まで言ってたのか…ますます恥ずかしい…
片手で顔を覆い隠しながらかぶりを振る。
「ヨウコじゃなくて…キョウコ…亡くなった、嫁の名前です」
桜さんは大きく目を見開いて俺を見た。