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第14章 蝶の見る夢【陽炎】
「常磐花魁!」
「常磐さん…」
口々に名を呼び、口論が止む。
「その客とやら、お座敷に通しておくれなんし。」
「正気ですかい? そんなことしたら妾が女将さんに叱られますよ⁉︎」
「ひとりで運べぬ程の金子をお持ちなら、ご祝儀もはずんでくれんしょう?女将さんと楼主(おやじ)さまにはわちきから話を通しんす。」
「花魁…」
「よぉざんす。わちきぁそのウツケの顔が見てみとぉおす。」
常磐はピシャリと言い放った。
此処は吉原。
この中では花魁の望みは絶対なのだ。
この、門の内だけは…
「常磐さん…」
口々に名を呼び、口論が止む。
「その客とやら、お座敷に通しておくれなんし。」
「正気ですかい? そんなことしたら妾が女将さんに叱られますよ⁉︎」
「ひとりで運べぬ程の金子をお持ちなら、ご祝儀もはずんでくれんしょう?女将さんと楼主(おやじ)さまにはわちきから話を通しんす。」
「花魁…」
「よぉざんす。わちきぁそのウツケの顔が見てみとぉおす。」
常磐はピシャリと言い放った。
此処は吉原。
この中では花魁の望みは絶対なのだ。
この、門の内だけは…