この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
another storys
第14章 蝶の見る夢【陽炎】
初会では、花魁は客とは口をきかぬが決まり。
どうしたらいいかわからず、常磐は部屋の外に出た。
新造が後を付いてくる。
さすがに部屋の外に出れば大丈夫だろう。
紙と筆を持ってくるように命じ、そっと部屋に戻った。
「どこに行ってたの?」
席を外したのもバレていた。
「旦那ァ?花魁が困っておりんすぇ。花魁は、初会ではお客と口をきかぬが決まり。全てを聞くのは野暮というものでありんす。」
男の横にいた芸妓がクスクスと笑いながらとりなした。
「あ、そうなの?俺ココに来んの初めてだからさ。そういうしきたりとかよくわかンねぇンだ!ごめんね、花魁!」
明るい顔で歯を見せて笑い、ヒラヒラと手を振る。
常磐は、どうあしらったものかわからなかった。
このような客は初めてだった。
どうしたらいいかわからず、常磐は部屋の外に出た。
新造が後を付いてくる。
さすがに部屋の外に出れば大丈夫だろう。
紙と筆を持ってくるように命じ、そっと部屋に戻った。
「どこに行ってたの?」
席を外したのもバレていた。
「旦那ァ?花魁が困っておりんすぇ。花魁は、初会ではお客と口をきかぬが決まり。全てを聞くのは野暮というものでありんす。」
男の横にいた芸妓がクスクスと笑いながらとりなした。
「あ、そうなの?俺ココに来んの初めてだからさ。そういうしきたりとかよくわかンねぇンだ!ごめんね、花魁!」
明るい顔で歯を見せて笑い、ヒラヒラと手を振る。
常磐は、どうあしらったものかわからなかった。
このような客は初めてだった。