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another storys
第14章 蝶の見る夢【陽炎】
鷺は直ぐに微笑み、

「白粉塗ってないとこにするよ」

と常磐の単衣を押し開く。鷺の舌が、胸の双丘の上で遊びだし、常磐の頭の芯がジンとなった。

花魁といえど遊女であるから、床の中では客に仕えるのが基本。客筋がいいから無体な事を強いられることもなかったが、大抵の客は己の欲を吐くために女の身体を使う、という感じだった。
が、鷺は違う。
とかくいちいちが長い。
乳から臍。脇に背中や二の腕、そして秘処。
内腿から尻まで舐め尽くす。

全身を味わい、堪えきれずに切ない声が漏れれば、

「もっと、声出して?俺。その声が好きなんだ」

「堪忍…堪忍ぇ…」.

はしたなく声をあげて善がるなど。
そう思ったが快感には抗えぬ。

「あぁ…あっ、あっあっ、、、あン!」

震える甲高い声が闇に響く。

鷺の硬い、男の証が中に侵入して来て直ぐに、常磐は気を遣り、その身がビクビクと震える。

気を遣ったのなどいつ振りだろう。気を遣ると疲れるから、女郎は出来るだけ、己は気を遣らずに客の気を遣る術を覚える。
気を遣ると孕む、と言われそれを恐れたのもあった。

なのにそんな想いも虚しく、鷺の愛撫の前に誇り高き花魁はあっさり陥落し、幾度となく、気を遣った…

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