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another storys
第17章 四方山話【潮騒】
郁男が彼女に惹かれ、付き合うまでには然程時間はかからなかったが、付き合ってほしいと言った時も、「ええよ」と軽く返されたし、海上自衛隊に入隊し、初めての赴任が京都の北部、舞鶴基地やから今までみたいには会われへんようになる、と、告げた時も「そう。」とアッサリしていた。
何事につけても深く考えないタチのようで、一度その思考回路について突っ込んだら、
「だってゴチャゴチャ考えたってなるようにしかならへんもん。無駄なことは考えへん主義なん。」
と笑われ、それ以上何も言えんかった。
はつ江の家からも離れ、何度か手紙をやり取りはしたが、会いに行く事もなく、手紙を書けば返事は来たが、彼女の方から会いに来る事も、寂しいとか会いたいとか言われることもなかった。
金持ちのお嬢さんだし、きっとそのうち結婚するやろう、彼女との縁もこれまでということやろうな、そう思って上司の勧めで見合いもした。
何事につけても深く考えないタチのようで、一度その思考回路について突っ込んだら、
「だってゴチャゴチャ考えたってなるようにしかならへんもん。無駄なことは考えへん主義なん。」
と笑われ、それ以上何も言えんかった。
はつ江の家からも離れ、何度か手紙をやり取りはしたが、会いに行く事もなく、手紙を書けば返事は来たが、彼女の方から会いに来る事も、寂しいとか会いたいとか言われることもなかった。
金持ちのお嬢さんだし、きっとそのうち結婚するやろう、彼女との縁もこれまでということやろうな、そう思って上司の勧めで見合いもした。