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another storys
第17章 四方山話【潮騒】
「好きって…どういうこと?」

「…そのままの意味や。俺は昔からお前のことが好きやった。」

「昔って…いつよ?」

「ガキの時や。」

「なんで…?私いっつもあんたにいじめられて…」

「俺がいついじめた?」

「いじめてきたやないの!私がなんぼ嫌や言うても蛇やら蛙やら投げてきたり、カバンに入れてきたり!」

「…あれは…捕まえたヤツをお前にやっとるつもりやったんや!ガキの時に女の喜ぶもんなんかわかるか!自分が好きなもんは他人も好きやと思っとったんや。」

その言葉にタツノは目を瞬かせた。

「普通あんだけ泣いて逃げとったら好きか嫌いかくらいわかるやろ?阿呆と違う?」

「煩いわ。阿呆いうな!」

ふいっと顔を背ける太一。
日に焼けた黒い肌では赤くなっても青くなっても色の違いは分かりにくいが、おそらく赤くなっているのだろう。
タツノはふふ、と微笑み。

「私が蛇と蛙と蜥蜴が嫌いになったんはあんたのせいなんやからね!ちゃんと責任とってや。」

そういって太一の顔を覗き込む。
ちら、と横目でタツノを見ながら、

「責任もって捕まえたるわ。」

と太一が笑った。
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