この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
another storys
第17章 四方山話【潮騒】
ごめんな、みんな…
私はやっぱり、特別な思いさしてもろてるわ…
菊乃は一人目の子供を亡くして、二人目を産んだ時は産月にお姑さんに言われて海に行って産気づいたと聞いた。幼馴染みのタツノちゃんに言われて、孝三さんも行ったれ、と言うてくれたから、身の回りのことをしに行くことがあって。赤ちゃんをあやしたり、身体を拭いたりしながら、私の代わりに嫁に行ったんやろ?と聞いたら、菊乃は、
「何や、知ってやったんかいな。」
と笑うた。
「ごめんな、エラい思いさせて…」
と謝ったら、菊乃はお父ちゃんによう似た悪戯っ子みたいな顔でニッと笑う。
「お姉ちゃんにこの家の嫁は務まらんわ。それに、此処だけの話。正一郎さんは孝三さんより男前やからな。お姉ちゃんにはやらん。うちのんや。」
それを聞いて私は、ぷっと吹き出した。
私はやっぱり、特別な思いさしてもろてるわ…
菊乃は一人目の子供を亡くして、二人目を産んだ時は産月にお姑さんに言われて海に行って産気づいたと聞いた。幼馴染みのタツノちゃんに言われて、孝三さんも行ったれ、と言うてくれたから、身の回りのことをしに行くことがあって。赤ちゃんをあやしたり、身体を拭いたりしながら、私の代わりに嫁に行ったんやろ?と聞いたら、菊乃は、
「何や、知ってやったんかいな。」
と笑うた。
「ごめんな、エラい思いさせて…」
と謝ったら、菊乃はお父ちゃんによう似た悪戯っ子みたいな顔でニッと笑う。
「お姉ちゃんにこの家の嫁は務まらんわ。それに、此処だけの話。正一郎さんは孝三さんより男前やからな。お姉ちゃんにはやらん。うちのんや。」
それを聞いて私は、ぷっと吹き出した。