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another storys
第17章 四方山話【潮騒】
「あっ!べっこう飴見っけ〜!」
兄貴が俺のべっこう飴を、横から取り上げた。
「返せ!俺のや‼︎」
「俺が見っけたんやから俺のやね!」
兄貴はわざと飴を握った手を高く上げて、俺の手が届かんようにする。
取られてたまるか!と足を引っ掛けて転ばした。
そのまま揉みくちゃんなって飴の取り合いをして、何とか取り返した。そこに婆ちゃんが来た。
「なんの騒ぎや!」
「婆ちゃん!コイツべっこう飴なんか持っとんねん」
兄貴が言いつけるように婆ちゃんの袖を引っ張る。
「啓三。お前その飴どないしたんや?」
「貰うた」
「誰に。」
「………お母ちゃん…」
「菊乃か!親のくせに一人にだけやるやなんて、まぁなんと意地の悪い母親やろうか!なぁ、郁男。えぇえぇ、お前にはもっとええモンおばあちゃんが買うたろな?」
「やったぁ!ほなおばあちゃん、早よ行こ!べっこう飴なんか要らんわい」
俺にあっかんべェ、と舌を出して兄貴は婆ちゃんとどっかに行った。….泣くもんか。羨ましくなんかない。
俺にはお母ちゃんのくれた飴がある。俺には、お母ちゃんがついとる。
兄貴が俺のべっこう飴を、横から取り上げた。
「返せ!俺のや‼︎」
「俺が見っけたんやから俺のやね!」
兄貴はわざと飴を握った手を高く上げて、俺の手が届かんようにする。
取られてたまるか!と足を引っ掛けて転ばした。
そのまま揉みくちゃんなって飴の取り合いをして、何とか取り返した。そこに婆ちゃんが来た。
「なんの騒ぎや!」
「婆ちゃん!コイツべっこう飴なんか持っとんねん」
兄貴が言いつけるように婆ちゃんの袖を引っ張る。
「啓三。お前その飴どないしたんや?」
「貰うた」
「誰に。」
「………お母ちゃん…」
「菊乃か!親のくせに一人にだけやるやなんて、まぁなんと意地の悪い母親やろうか!なぁ、郁男。えぇえぇ、お前にはもっとええモンおばあちゃんが買うたろな?」
「やったぁ!ほなおばあちゃん、早よ行こ!べっこう飴なんか要らんわい」
俺にあっかんべェ、と舌を出して兄貴は婆ちゃんとどっかに行った。….泣くもんか。羨ましくなんかない。
俺にはお母ちゃんのくれた飴がある。俺には、お母ちゃんがついとる。