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another storys
第17章 四方山話【潮騒】
一事が万事そんな調子やったから、俺は兄貴も婆ちゃんも嫌いやった。
婆ちゃんなんか早よ死んでもたらええんや。
「 なぁ、婆ちゃん、あんたいつ死ぬんや?早よ死んでくれへんかな」
婆ちゃんに面と向かって言うたら、婆ちゃんは金切り声でお母ちゃんを呼びつけて叱った。
「菊乃!お前子供に何教えとんや!婆に向かって死ねやなんてまぁ口の悪い!」
「エラいすんません、これ、啓三。あんたも謝り。」
お母ちゃんは深々と頭を下げて、俺の頭の後ろを掴んで無理矢理下げさせた。
「俺は、思たこというただけや。ホンマに早よ死んで欲しいのに、何で謝らなかあんねん」
不貞腐れた俺に、お母ちゃんが笑う。
「啓三、負けるが勝ちって言うんよ。頭は下げても減らへんの。実のある言い合いやったら止めへんけど、しょうもない喧嘩しても疲れてお腹減るだけや。せやったら、その時間と力は別のことに使うたほうが賢い。な?」
婆ちゃんなんか早よ死んでもたらええんや。
「 なぁ、婆ちゃん、あんたいつ死ぬんや?早よ死んでくれへんかな」
婆ちゃんに面と向かって言うたら、婆ちゃんは金切り声でお母ちゃんを呼びつけて叱った。
「菊乃!お前子供に何教えとんや!婆に向かって死ねやなんてまぁ口の悪い!」
「エラいすんません、これ、啓三。あんたも謝り。」
お母ちゃんは深々と頭を下げて、俺の頭の後ろを掴んで無理矢理下げさせた。
「俺は、思たこというただけや。ホンマに早よ死んで欲しいのに、何で謝らなかあんねん」
不貞腐れた俺に、お母ちゃんが笑う。
「啓三、負けるが勝ちって言うんよ。頭は下げても減らへんの。実のある言い合いやったら止めへんけど、しょうもない喧嘩しても疲れてお腹減るだけや。せやったら、その時間と力は別のことに使うたほうが賢い。な?」