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another storys
第18章 彼岸花【陽炎】
が、一緒に暮らして半年も経つと、信吉の悪い癖が出始める。

手が早く、女癖が悪い。
一年を迎える前に、何度女を断ち切ったかしれない。
修羅場もあった。
その度に、信吉は頭を下げて、本当に俺をわかってくれンのはお前だけだ、出て行かねぇでくれ、と畳に額を擦り付けて謝る。
そうやっていつも騙されるのに…キッパリと引導を渡せぬのは…信吉に情があるからだった…
手元に三行半がなかったのも大きかった。持っていたならいつでも叩きつけられるのに、半年前は要らぬと思った。そして欲しいと思った時にはもう遅かった。今となっては信吉が別れようと思わねば離縁できないのだ。

そうして一年が過ぎた頃…

るいの住む長屋に、痘瘡を病んだものが出た。
疱瘡というのは、まず熱とともに小さな発疹が顔や手足に出来、それがえんどう豆程の大きさになって全身を覆う。その後水泡になって膿をもつと、高熱と激しい痛みに苦しみ、体も顔も腫れ上がって容貌さえも変ってしまう。三、四週間で発疹が乾き、かさぶたになるが、まだ膿をもっていて、痛みと治りかけの猛烈な痒みがある。夜も寝られぬ日が続き、かさぶたが落ちるとあとがくぼみ、あばたになる。その為「器量さだめ」とも言われた。また症状がひどく目にまで発疹が及ぶと目が潰れることもある。身体の弱い子供や年寄は、熱の時点で命を落とすものもいる。
水疱や瘡蓋の状態、痘痕の残り方は人によっても、流行る時によっても異なった。
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