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another storys
第18章 彼岸花【陽炎】
人に感染る力が強く、一人出るとたちまち広がる。
るいの住む長屋のある町でも、あっという間に広がった。だが、長屋の外まで爆発的に広がるという事もなく、その一角に住む者らの中で、弱い者が死に、大抵の者は命を取り留めた。
その頃信吉は、他所の女のところに入り浸っていて、あまり家にも帰ってこなかった。
長屋のあたりで痘瘡が出たとの噂に、更に寄り付かなくなった。

二月もすると、痘瘡の騒ぎも落ち着いた。

るいは半月ほど病みついたが、やはり助かった。
それから更に半月ほどで、痒みが治まり、瘡蓋が落ちると、自分の二の腕から先にぼつぼつとした凹みが無数にある。赤みを帯びて気味が悪かった。
慌てて鏡を取り出す。

るいの手から鏡が落ちた…

右の額から目元、左の頬から顎、喉元、うなじ。胸も腹も目には見えないが背中も。全身がまだらに染まり、質感はボコボコとして、痛々しかった。

まるで、身体中に彼岸花が咲いているようだった。
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