この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
another storys
第18章 彼岸花【陽炎】

こんな姿で人前には出られない…
病を理由に仕事も休み、家に引きこもった。
買い物に出るのも嫌で、食糧も底をつき、腹を空かせてもずっと家にいた。
このまま、痩せ細って、飢えて死のう。
そう思っていた時、訪ねてきた者があった。
料理屋の女将だ。
「ちょいと、るいちゃん、ちゃんと食べてるの⁉︎」
そう言ってズカズカと部屋に上がり込んだ女将は、るいの顔を見るなり息を飲んだ。
そしてるいを抱き締め、ポロポロと涙を流す。
「気の毒にねぇ…花のかんばせが…アンタみたいないい娘が、なんて酷い目に遭うんだろうねぇ…」
「もう…このまま死のうかなぁ…信吉さんも帰ってこないし…帰ってきたってこんな顔じゃ…」
「何言ってんだよ!痘瘡にやられて命があっただけでもめっけもんだろ?そんなこと言ったら死んだ奴が浮かばれないじゃないか!」
病を理由に仕事も休み、家に引きこもった。
買い物に出るのも嫌で、食糧も底をつき、腹を空かせてもずっと家にいた。
このまま、痩せ細って、飢えて死のう。
そう思っていた時、訪ねてきた者があった。
料理屋の女将だ。
「ちょいと、るいちゃん、ちゃんと食べてるの⁉︎」
そう言ってズカズカと部屋に上がり込んだ女将は、るいの顔を見るなり息を飲んだ。
そしてるいを抱き締め、ポロポロと涙を流す。
「気の毒にねぇ…花のかんばせが…アンタみたいないい娘が、なんて酷い目に遭うんだろうねぇ…」
「もう…このまま死のうかなぁ…信吉さんも帰ってこないし…帰ってきたってこんな顔じゃ…」
「何言ってんだよ!痘瘡にやられて命があっただけでもめっけもんだろ?そんなこと言ったら死んだ奴が浮かばれないじゃないか!」

