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another storys
第21章 父とオトコの境界線【社内恋愛のススメ】
そろそろ8時になる、という頃、遙が起きてきた。

「おはよ…早いね…」

「ん?あぁ…目が覚めたからコーヒー飲んでた。」

「私のもセットしてくれたんだ…」

「ん。淹れるから温かくして座っとけよ。パン食う?」

「…ありがと。パンはもう少し後でもいいかな…樹さんお腹すいた?」

「ん。別にまだいいけど…」

遙が寝室に戻っていく。俺は立ち上がって湯を沸かし直し、コーヒーを淹れた。
遙がカーディガンを羽織って出てくる。

2人でソファに座った。

「昨日…ごめんね」

「何が。」

「最後まで、できなかったでしょ…口とかでしたほうが良かったかなぁってちょっと思ったんだけど…声かけるタイミング掴めなくて…」

やっぱり、気遣わせてんな…

俺は遙の頭をグッと抱き寄せた。

「わわっ…」

コーヒーをこぼしそうになり、慌ててテーブルにカップを置く遙。

「あ、ゴメン。でも、昨日の事は遙のせいじゃないだろ?タイミングだよ。俺の方こそ、気遣わせてごめん。」

後頭部を抱えたまま、何度もキスした。
少し甘い、ミルクコーヒーの味がした。

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