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another storys
第26章 シンデレラ ガール【同級生】
そう言うと、

「翠が垢抜けない理由のひとつ」

と玄くんが笑う。

何よ!と突っかかるとそんな顔も可愛い。と、ハグされてうやむやにされる。

「別にバカにしてるんじゃない。俺は翠のそんなとこも可愛いと思ってるよ。でも、オンナとしてステップアップしたいなら、手段がないわけじゃない。」

玄くんは私の目を真っ直ぐに見て、

「どうする? ステップアップの努力をするなら、俺は出来る限りの手助けをしてあげる。」

努力だけで劇的に変われるなんて思わない。
人には分相応ってものがある。

だけど。

玄くんと歩くと、周りの目が気になる。

きっと美人なんか寄ってきすぎて見飽きて毛色の変わったのを連れて歩きたいハイスペックな彼氏と、それに冴えないオンナがしがみついてるカップルだと思われてるんだろうなぁ、と思えて、切ない。

街中で、ウィンドウやミラーに映る自分達の姿にがっかりする。

玄くんがどれだけ好きだと言ってくれても、心から喜べない。

そんな自分が嫌だった。



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