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another storys
第27章 帆掛舟【潮騒】
高校に入らなあかん一郎だけを先に呼び寄せ、学校に行かせながら、少しまとまったお金が出来たら、関係の遠い親戚から返していき、三人の娘を呼んで借財を返し終えたのは、田舎を出てから六年後のこと。
仕事も軌道に乗った頃、借りとった家の持ち主が買い取って欲しいと言うてきたから、家賃のように毎月決まった額を返しながら家も買うことにした。
その頃丁度、菊乃の旦那の正一郎さんが神戸に出稼ぎに来る、という話があって。
菊乃にはお金も借りたし、何というても可愛い末の妹の旦那やから、宿 がないならここに住んだらええ、と言うた。
正一郎さんは寡黙で、でも真面目な人柄やった。
菊乃はええ人と縁があって良かった、と思うた。
正一郎さんがこっちにおる間に、菊乃に子供が生まれたと手紙が来た。
菊乃は、一人目の男の子を事故で亡くしたと聞いたから、二人目が生まれて本当に良かった、と思うた。
仕事も軌道に乗った頃、借りとった家の持ち主が買い取って欲しいと言うてきたから、家賃のように毎月決まった額を返しながら家も買うことにした。
その頃丁度、菊乃の旦那の正一郎さんが神戸に出稼ぎに来る、という話があって。
菊乃にはお金も借りたし、何というても可愛い末の妹の旦那やから、宿 がないならここに住んだらええ、と言うた。
正一郎さんは寡黙で、でも真面目な人柄やった。
菊乃はええ人と縁があって良かった、と思うた。
正一郎さんがこっちにおる間に、菊乃に子供が生まれたと手紙が来た。
菊乃は、一人目の男の子を事故で亡くしたと聞いたから、二人目が生まれて本当に良かった、と思うた。