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another storys
第27章 帆掛舟【潮騒】
「女の子が、上に三人続いとるんです。それで、主人のお母さんに、あんたは女腹やと言われて…」
奥さんは悔しそうに拳を握り締めて歯をくいしばる。
「まぁ、そういう人もおるけど、四人目五人目にふっと違う性別の子が生まれることなんて珍しいこともないのよ?」
私は何とか宥めようと、その手を上から両手で包んだ。
「…そんなに男の子が要るんやったら、二号さんでも妾でも勝手につくって他所で産ませたらええ。せやけど、次生まれるのが女の子やったら、里子に出すと…それが許せんのです…!」
それはよっぽどやな…私はひとつ息を吐いて。
「ほな、男の子にしてもらいましょ。」
「…え?」
「神様に。ようお願いして、男の子にして貰うんです。それで、男の子が生まれたらよし、もし女の子やったら、ご利益のない神様なんやから拝むの止めたらよろしいわ。ご利益のある神様やったら赤子の性別くらいチョチョイのチョイですやろ?その程度も出来ひん神様拝んだってしようありませんがな。」
奥さんは、私の言うことがようわからん、という様子でキョトンとした。
奥さんは悔しそうに拳を握り締めて歯をくいしばる。
「まぁ、そういう人もおるけど、四人目五人目にふっと違う性別の子が生まれることなんて珍しいこともないのよ?」
私は何とか宥めようと、その手を上から両手で包んだ。
「…そんなに男の子が要るんやったら、二号さんでも妾でも勝手につくって他所で産ませたらええ。せやけど、次生まれるのが女の子やったら、里子に出すと…それが許せんのです…!」
それはよっぽどやな…私はひとつ息を吐いて。
「ほな、男の子にしてもらいましょ。」
「…え?」
「神様に。ようお願いして、男の子にして貰うんです。それで、男の子が生まれたらよし、もし女の子やったら、ご利益のない神様なんやから拝むの止めたらよろしいわ。ご利益のある神様やったら赤子の性別くらいチョチョイのチョイですやろ?その程度も出来ひん神様拝んだってしようありませんがな。」
奥さんは、私の言うことがようわからん、という様子でキョトンとした。