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another storys
第29章 2人のX'mas【同級生】
「肥満じゃないけど、細くもないわよ…」

「ふつう、だよ。細きゃいいってもんじゃない。限度がある。ガリガリの身体は痛々しい。胸もそう。グラビアアイドルじゃないんだから、巨乳である必要もない。少なくとも俺は、あんな整形で弄りたくった顔や身体、ちっともキレイだと思わない。芸能人がやってるから、海外のセレブが持ってるから、メイクもファッションも、誰かが仕掛けた流行りに乗って、自分の個性を消しちゃうんだ。そうやってみんなが同じ顔で同じカッコになったら気持ち悪いだけなのに。流行りに乗るのが悪いとは言わないけど、その中で自分に似合うもの、必要なものを見極めるのが大事だと思うんだよ。」

「………」

そんなこと言われたら…いち早く流行を取り入れてるとも、最先端を行ってるとも思わないけど、流行り出した頃は、全く猫も杓子も…なんて小馬鹿にしながら、周りがみんな持ってると、なんだか持ってないほうがおかしい気がしてくるし、街を歩けばショーウィンドウに飾られる流行のファッションアイテムが、嫌でも目に入る、っていうのもあるかもしれないけど。大分遅れてコソコソと買ってしまうのは確かだった。そこに自分のポリシーなんてない。
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