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another storys
第29章 2人のX'mas【同級生】
「そんな顔しない。別に翠の購買意欲を削ぎたいわけでも責めてるわけでもないよ。ただ、価値観なんて人それぞれで、画一的である必要はどこにもないって言いたかっただけ。翠は本当に自分に自信がないんだな?髪切って可愛くなったのに。格好も前より大分垢抜けたろ?頑張ってると思ってるよ。俺は、そういう翠が好き。料理も美味かったし。好きなポイントがひとつ増えた。」
無言のままコクリと頷いた私に、玄くんが苦笑する。
「まだ、足りない? じゃあ全部バラすよ。昔、高校の頃。写真部の部室で作業してると、いっつも下手くそなトランペットが聞こえてきて。最初は耳障りだなって、思ってたのに、それがちょっとずつ上手くなっていって。慣れた頃にはもうその音がないと妙に寂しくって。誰が吹いてんだろうって、吹奏楽部の部室をチラチラ覗いて、トランペットのコを探してた。一所懸命練習してる翠が居た。」
私はまじまじと、玄くんの横顔を凝視してしまう。
それで、あの、写真になる、ワケ…?
無言のままコクリと頷いた私に、玄くんが苦笑する。
「まだ、足りない? じゃあ全部バラすよ。昔、高校の頃。写真部の部室で作業してると、いっつも下手くそなトランペットが聞こえてきて。最初は耳障りだなって、思ってたのに、それがちょっとずつ上手くなっていって。慣れた頃にはもうその音がないと妙に寂しくって。誰が吹いてんだろうって、吹奏楽部の部室をチラチラ覗いて、トランペットのコを探してた。一所懸命練習してる翠が居た。」
私はまじまじと、玄くんの横顔を凝視してしまう。
それで、あの、写真になる、ワケ…?