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another storys
第30章 思い出の味【社内恋愛のススメ・Cross roads】

「でも、今なら私もいるし、ウチの実家に分けてもいいし、宮本さんやカナちゃんや課長のとことか、車でも持ってけるし、いくらでも捌けるじゃない。だから、お母さんもたくさん送ってくれたんだよね。」
「たぶんな。」
「樹さんが、お母さんが作ってくれた林檎バターが食べたくなったって話は、お母さんもきっと嬉しいと思うよ。…言葉が足りなくて、人を傷つけてしまうことって、誰にでもあると思うの。でも、申し訳ないって、その気持ちを忘れないでいるうちは、言葉の選び方にも気をつけるだろうし、その分きっと優しくなれる。お母さんも、今回林檎を送ってくれたってことは、きっともう気にしてないよ。明日、一緒に電話して、美味しい林檎をありがとう、って言おうね?」
「ん…そうだな…」
柄にもなく、しんみりして。俺は遙の頭を抱き寄せる。
ちょっと泣きそうになって。
シャンプーしたての遙の髪の匂いを深く吸い込んだ。
「たぶんな。」
「樹さんが、お母さんが作ってくれた林檎バターが食べたくなったって話は、お母さんもきっと嬉しいと思うよ。…言葉が足りなくて、人を傷つけてしまうことって、誰にでもあると思うの。でも、申し訳ないって、その気持ちを忘れないでいるうちは、言葉の選び方にも気をつけるだろうし、その分きっと優しくなれる。お母さんも、今回林檎を送ってくれたってことは、きっともう気にしてないよ。明日、一緒に電話して、美味しい林檎をありがとう、って言おうね?」
「ん…そうだな…」
柄にもなく、しんみりして。俺は遙の頭を抱き寄せる。
ちょっと泣きそうになって。
シャンプーしたての遙の髪の匂いを深く吸い込んだ。

