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another storys
第30章 思い出の味【社内恋愛のススメ・Cross roads】
何でもいいって、相手に気を使っているようで、自分で考えて思いを伝えることを放棄する言葉で。
何でもいいって言いながら、結局は食べたくないものもあって、いざ料理を前にすると、気分が乗らなくて仕方なく食べるとか、食べずに残すとか。
昔、私と結婚してた頃の義隆さんがまさにこういうタイプ。
今みたいに携帯もなかったから、何が食べたいか気軽にメールやSNSで確認するなんてできなかった。
帰って来る時間も遅かったし、私も育児をしながら義隆さんの連絡を待ってご飯の支度をするなんて出来なくて。
食事の支度をして、ラップをかけて先に寝る生活をしてた。
朝、ゴミ箱に捨てられた食べ残しを見るたびに悲しくなって。だったら嫌なものだけでも挙げてくれればいいじゃないとイライラしてたけど。
今考えれば、温め直すことを考えた調理法にするとか、遅い時間に食べるから胃もたれしにくいレパートリーを増やすとか。
気を使ってあげるポイントはいろいろあったのかもしれない。だけど当時の私にはそんなことはできなかった。
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