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第4章 化猫奇譚【陽炎】
「言いたいヤツには言わしておけばいい。」

八尋は穏やかに呟く。

「だけど!母ちゃんのことも、化物みたいな顔してるって言ったんだ!」

「それも、別に怒ることじゃないわ。母ちゃん、そう呼ばれるの慣れてるから。母ちゃんが、この火傷を負ったのは十一の時。今のあんたよりちょっと大きいわね。それから、ずっとそう呼ばれてきた。母ちゃんの事、化物呼ばわりしなかったのは、父ちゃんだけよ。」

その、父親が、今目の前にいる八尋だけを指す言葉ではないことなど、市八は知る由もない。

八尋も口を開く。

「市八?お前は、母ちゃんの顔を化物のようだと思うのか?こんな火傷のある母ちゃんを恥ずかしいと思うのか?」

市八はふるふるとかぶりを振る。

「なら、それでいい。人の定義とは姿形ではないのだ。父ちゃんはね、幼い頃から、人の姿をした化物のような奴らを何人も見てきた。人を人と思わず、食い物にして憚らぬ、笑って人を痛めつける。鬼のような奴らをたくさん見てきたよ。」
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