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another storys
第4章 化猫奇譚【陽炎】
「餓鬼共のアジトがあるんだろ?市八。場所はわかるな?」
市八はこくりと頷いた。
「猫ちゃんが隠れるのはそこだ。だからそこまでの案内はお前がやるんだよ。餓鬼共がアジトにいるなら外におびき出すのもやってくれるか?俺と兵衛が辻占宜しくちょっくら餓鬼共を脅かすからよ、八尋はアジトの手前で木に登って、夜陰に潜んで、餓鬼共の上から兎の血を滴らせ。隠居したって陽炎の忍、そのくらい朝飯前だろうが。」
…鷺と兵衛の話術でまことしやかに脅かされたら、強がったところで内心ビクビクしていることだろう。
そのまま山の中のアジトに帰ろうとしたら上から血が降ってきて、慌てふためいてアジトに戻ったら、化け猫を装ったサチが火傷を覗かせる…
大人でも怖い、と八尋は思った。
市八はこくりと頷いた。
「猫ちゃんが隠れるのはそこだ。だからそこまでの案内はお前がやるんだよ。餓鬼共がアジトにいるなら外におびき出すのもやってくれるか?俺と兵衛が辻占宜しくちょっくら餓鬼共を脅かすからよ、八尋はアジトの手前で木に登って、夜陰に潜んで、餓鬼共の上から兎の血を滴らせ。隠居したって陽炎の忍、そのくらい朝飯前だろうが。」
…鷺と兵衛の話術でまことしやかに脅かされたら、強がったところで内心ビクビクしていることだろう。
そのまま山の中のアジトに帰ろうとしたら上から血が降ってきて、慌てふためいてアジトに戻ったら、化け猫を装ったサチが火傷を覗かせる…
大人でも怖い、と八尋は思った。