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another storys
第4章 化猫奇譚【陽炎】
「うわぁ〜‼︎血がっ⁉︎」

泣きそうになりながら、三人這々の体で逃げ出す。

やっとの事でアジトにたどり着き、ガタガタと戸を開ける。

…土間に、誰かがいる。

それはちらとこちらを振り向く。

薄汚れた、白い着物の女には、夜目にもわかる白い猫の耳がある。
そして、爛れた顔を晒し。人とは思えぬ低い声で呟いた。

「にゃぁお…尻尾…私の尾はどこじゃ…?もし、白い尾を見ませなんだか…?」

「.ぎゃ〜ッ‼︎」

叫んであわてふためき、逃げ出そうにも足がもつれて上手く歩けず、敷居に足を引っ掛けて転ける。

三人が団子のようになり、そのままこけつまろびつ、一目散に逃げていった。

三人が居なくなったのを見計らい、サチが立ち上がる。

「全く。逃げてくれなかったら私動けなかったじゃない…」

と溜息を吐いた。

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