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淫風の戦記
第2章 幻覚薬
ノック。侍女が呼びにきた。

「枇杷さま、起きておられますか?」
「…起きている。有り難う。少し待っていてくれ」

朦朧とする意識の中で、部屋にいれたくない一心で何とか答えた。
まだ、息は整わない。尻の下が水溜まりのようになっている、

「(…幻覚か…)」

よかった。本当に?ため息をつく枇杷だった。

「私の望み?」

この薬が服用者の望みを叶えるために幻覚を魅せるものだとしたら。

「私の望み?」

もう一度、ため息をつく。
忘れよう。もう二度と使うことはない。中和させる成分を調べること以外、私の使命はないのだから。言い聞かせ、重い腰を上げる枇杷だった。

朝靄に薄日が射していた。
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